遺伝子組み替えってのをご存じかね?
冗談じゃないねえ。ほんとに、人ってえのは、とことん懲りないんだねえ。狂牛病がまた一頭発生しているってご時世に、まだまだ、不自然なことをやり続けている。
あんた、遺伝子組み替えってのをご存じかね? なに、あたしだって、たいしてわかっているわけじゃありませんよ。なんでも、「二十一世紀には六〇億人を超えると予測される世界人口を養うために、遺伝子工学の技術を積極的に活用することが重要」というのが推進派ってえことですよね。しかしですよ、この遺伝子組み替え作物は、環境や安全性についてなにひとつ確認されているわけじゃあないそうですな。そりゃそうでしょう。そんなものを食べて、その安全性を確認するためには、人間の場合、最低で三代ぐらいの時間が必要でしょう? 九〇年近く経ってですよ、とんでもない遺伝上の問題が表面化したって、もう手の打ちようがないんだ。そうでしょう? それなのに、遺伝子組み替え作物の世界的作付け面積は、五年で九〇倍増えたそうです。米国が世界全体の六十六%、ついでアルゼンチン、カナダ、中国、この四カ国だけで世界の九十九%を占めるんだそうですよ。一番多いのは大豆(組み替え作物の六十八%!)、トウモロコシ(十九%)、綿(十九%)、菜種(五%)。
「遺伝子組み替えは一切日本に入れない」ってえ法律を一刻も早くつくってくれればいいんだが、政治家も官僚も「危険を証明できない」ってえ立場だ。証明するのに、九〇年は待てませんよ。
あとはもう、自衛だね。米国、アルゼンチン、カナダ、中国のものは食わねえ、それから「遺伝子組み替え作物は使っていない」という表示を確認して、大豆やトウモロコシ、それに菜種の製品を食うことだね。オーガニック製品しか食っちゃあなんねえですよ。ほんとに。
このコラムは、月刊ポランポランにて 2002.09 に掲載されたものです
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